そもそも簿記・会計ってなんで必要なの?「帳簿の考え方と付け方」

■はじめに

あさがお

簿記や会計はなぜ必要なのか。

今回はそんなそもそもの疑問について書いてみます。

事業を上手く進めるために必要なお金のルールを理解しましょう。

サラリーマンでは不要だった簿記や会計の知識が、事業主(フリーランス・経営者)になるとなぜ必要なのか。

これを理解するためには、簿記・会計の全体像を理解した上で、その理由について考える必要があります。

それが理解できれば、簿記・会計を上手に使いこなすことができ、より事業を前に進めることができます。

地味ですが、事業主にとっては本当に重要な知識だと思っています。

■簿記・会計の全体像

大まかに税金を支払うまでの会計・簿記の全体像を説明すると、このようになります。

税金を支払うまでの流れ


1. 【資料収集】請求書・領収書、通帳などを集める
2. 【帳簿記入】それらの取引を帳簿に記入する
3. 【決算/申告】一年分の帳簿を集計し、決算書と確定申告書を作成して税金を計算する
4. 【提出/納付】確定申告書を提出し、計算された税金を納める

サラリーマンだと会社が税金・社会保険などの計算や手続きを全てしてくれていました。
ところが独立すると、会社=自分となるため、それらの計算や手続きを全て自分でやらないといけなくなります

納税すべき金額はどのように計算されるのでしょうか?

上の図解にあるように、納付すべき納税額を計算するためには、4つのSTEPがあります。

まずは、①資料収集をします。

経営をしていくと日々入りと出でお金が発生するわけですが、それを証明する資料を集めます

例えば、売上なら、請求書を出して、現金なら領収書、振込なら通帳に入金があるはずです。
それらを集めて集計するために必要な資料を集めます。

次に、①で集めた資料をもとに、②帳簿記入を行います。

”簿記”という言葉がありますが、実はこれは”帳簿記入”の略語です。
帳簿に記入するには、一定の会計上のルールがあり、資産・負債・資本・売上・経費などに正しく振り分けることが求められます。
その帳簿記入の基本的なルールを学ぶのが、資格の代表格である”簿記3級”なのです。

帳簿記入では、実際の取引を科目ごとに適切に振り分けながら(”仕訳”といいます)それを帳面にまとめていきます
帳面とはもちろん紙でも良いのですが、数が膨大で計算が大変になることが多いです。
そのため、多くの場合会計ソフトを使って入力していくことになります。

帳簿記入ができたら、その次は③決算/申告です。

一年分の帳簿を集計し、決算書と確定申告書を作成し、税金を計算します。

決算書は、帳簿で集計された各科目の合計値を記入した事業の成績表のようなものです。
それを見れば一年間いくら稼いでいくら支出があったのか、そして最終的にいくらの財産や借金が残ってるのかなどがわかるような書類です。

申告書(確定申告書)は、その決算書をもとに、税金を計算する書類になります。

そして最後は、その確定した決算書・申告書と税額を実際に④提出/納付します。

以上が簿記・会計の流れになります。

■簿記・会計が必要になる理由①:義務だから

まず前提として、納税がある場合、それを納めることは義務です。
憲法でも納税の義務が定められていますが、それを怠った場合にはかなりのペナルティーが課されることになります。
これは、事業を継続していく上では避けて通れない道になります。

先ほど4STEPを後ろから見ていってください。

税額を納付するためには、それを計算する申告書と、その申告書のもととなる決算書を作る必要があります。
そしてその決算書は、帳簿を集計して作られます
その帳簿を作るためには、簿記・会計の知識が必要、ということです。

よって、事業主になったら、納税の義務を果たすために、簿記・会計が必要になるということが言えます。

■ 簿記・会計が必要になる理由②:経営に役立つから

とはいえ、この義務感だけで簿記・会計の知識を身に着けるのはなかなかつらいものがあります。

実際問題、経営者が全て簿記・会計のスペシャリストかというとそういうわけではないでしょう。
餅は餅屋、それを任せるために私のような税理士という税務と会計の専門家がいるとも言えます。

ただ、ここで協調したいのは、先ほどのような義務だからという理由だけでなく、
実際に経営に役立つから簿記・会計の知識が必要になるという点です。

事業を上手く軌道に乗せている創業者は、皆揃って会計から得られた情報を上手く経営に活かしています

会計という数字を重要視しない経営は、体重計に乗らずにダイエットをするようなものです。
自分の現在の正確な体重が曖昧では、理想の体重までの距離感も掴めないどころか痩せた・太ったすら判断出来ません。

経営も同じで、そんな状況の会社では継続的に事業を進めていけないでしょう。
どんなに優れていて社会的に意義がある事業プランだったとしても、途中で資金が尽きてしまえばそこで強制終了です。

会社の現在の状況を明らかにし、経営を上手く進めていくための判断材料として、
会計、そしてそれを表現する帳簿は、役に立つものであり、経営に役に立つように使いこなしていかないといけないものになります。


■まとめ

あさがお

いかがだったでしょうか?

どうせやるのであれば、義務感ではなく、自分にとって役立つという意識で向き合いたいですよね!

では、今回のまとめです。

今回のまとめ

・簿記と会計は、納税という義務を果たすために事業主にとっては必要な知識となる。

・簿記と会計は、経営を上手く進めるための判断材料を提供してくれる意味で役に立つ知識となる。

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