どんな商品・サービスで起業したらよい?「主力商品・サービスの決め方」

税理士のあさがおです。
起業したいという方から良く受ける質問が「どんな商品・サービスで起業したらよいでしょうか?」というものです。
他でもない自分自身が起業するわけですから、自分に合う商品・サービスで起業しないとそれは不幸です。
今回はどのような点に注意して決めるべきか、ポイントをまとめさせていただきました。
■はじめに(主力商品・サービスを明確にする必要性)
最初に考えていただきたいのは「そもそも事業が続く『主力商品・サービス』となっているのか」という点です。
初めて起業する方にありがちな罠として、「主力商品・サービスが明確になっていない」という点が挙げられます。
ひと言で言えば、「当社と言えば、〇〇」が分かりにくい状態ということです。
リソースの少ない中小零細企業の場合、あれもこれもできないので、選択と集中が基本です。
例えば美容室で起業しようとした場合、カットだけでなくパーマやカラーなど、何を主力サービスに据えるかによって取るべき戦略が大きく変わります。
主力となる商品・サービスが明確に定まっていないと、たくさんいる競合他社に埋もれてしまい、想定するお客様にしっかりと届かないという問題が生じてしまいます。
■主力商品・サービスの具体的な決め方
では、どのように主力商品・サービスを決定していくかについて、手順を示したいと思います。
①まずは、「できること(CAN)」を可能な限り書き出してください。

あなたが行う予定がある・なしにかかわらず、あなたが現在できることを多く書き出してみてください。
ここが主力商品・サービスの出発点になります。
②次に、その「できること」の中から、あなたが「求められていること(NEEDS)」と「やりたいこと(WANTS)」を抜き出してみてください。

「求められていること」とは、自分がやりたいか否かにかかわらず、顧客からの需要があることが該当します。
「やりたいこと」とは、顧客から求められているか否かにかかわらず、未来に向かって自分がやってききたいことが該当します。
③最後に、記入した「求められていること」と「やりたいこと」から、【主力商品・サービス】となるものを一つに絞り、決めてください。

あなたが「できること(CAN)」と「求められていること(NEEDS)」と「やりたいこと(WANTS)」の全てが重なる部分こそが、あなたが最も力を発揮できる部分、すなわち主力商品・サービスとすべき部分ということになります。
図解すると、このようなイメージです!

これら3つが重ならない場合には、事業が続かない可能性が高いので注意が必要です。

例❶のように、自分の「できること」と「やりたいこと」が一致していても、それが顧客から求められているものでければマネタイズできません。結果、ビジネスではなく趣味にしておいた方が良い可能性が高いです。
一方で例❷のように、顧客から「求められていること」だけやっていても、それが自分の「やりたいこと」とかけ離れていれば、長続きしませんし、熱が入りません。結果、自分で起業するテーマとしては避けた方が賢明だと言えます。

ビジネスは、自分(自社)と相手(顧客)のどちらも重要な登場人物です。
この作業に取り組むことで、両者のバランスを取ったよい商品・サービスを見つけることができるはずです。
繰り返しますが、あなたが「できること(CAN)」をベースに、「求められていること(NEEDS)」と「やりたいこと(WANTS)」が重なる部分を探してください。
いくつか候補が出たのであれば、あなたの手でそこから一つに絞り込む作業までが本節で必要な作業です。

自分がやりたいことで、かつ、求められていることに選択と集中をすることで、やるべきこととやらないことを明確にし、あなたの主力商品・サービスを決定しましょう。
参考にしていただければ幸いです。
この記事を書いた人

あさがお税理士事務所 代表税理士 伊藤貴文
税理士 / 栃木出身 / 埼玉在住 / 東京勤務 / 3児の父
