会計ソフトの選び方③~インストール型は最新の確定申告書に対応できない?
昨年「会計ソフトの選び方②~インストール型?クラウド型?業種ごとのおすすめは?」という記事を書きました。
会計ソフトのインストール型とクラウド型の選び方を、
①会計ソフト購入が要/不要な人
②業種(=手入力が多い?少ない?の面から)
の2点から考える内容でした。
今年は、
最新の確定申告および税制に対応できるのはどちらか?
という視点で、記事を書いてみたいと思います。
目次
インストール型は制度が変わるたびに買い直しになる?
あさがおさーん!
「freeeの使い方を教えて欲しい」って仕事の依頼が来たんですよ!
はじめてです!
おおー、そうなんですね!
わたしも税務顧問につくお客様の、会計ソフト導入支援してますよ。
freeeということは…クラウド型が好きなお客様だったんですね。
いやー、それがですね…
知り合いに相談したところ、「インストール型は制度が変わるたびに買い直しが必要になるから、クラウド型の方が良いってアドバイスされたらしいですよ。」
うーん、なるほど。
その視点でインストール型とクラウド型を、ちゃんと考えたこと無かったですね。
掘り下げてみましょうか!
業務用インストール型会計ソフトを使う、税理士あさがおの場合
わたしは、税理士の業務用インストール型会計ソフトの「ICS」を日常的に使っています。
ICSは、税理士が顧問として存在する前提でお客様に導入するインストール型会計ソフトです。
なので、制度改正などがあったら、顧問税理士が必ず気付きます😊。
制度改正があれば都度、お客様にアップデート作業を促したりしますが、オプションでクラウド経由の自動アップデート機能をつけられます。
お客様のうっかり忘れもあり得ますので、わたしの場合はクラウド経由の自動アップデート機能をつけてもらうことが多いですね。
市販のインストール型会計ソフトの場合
もうひとつ、業務用じゃなくて市販のインストール型会計ソフトについて、補足させて下さい!
ICSなどの業務用インストール型会計ソフトじゃなくって、例えば超有名な「やよいの青色申告」など、市販のインストール型会計ソフトをお客様ご自身が選んで使っている場合。
あつこさんのお客様は「制度改正のたびに買い替え必要」と聞いたそうですが、買い替えじゃなくって「ソフトウェアの更新=アップデート」という対応方法になると思います。
問題はその方法です。
自動アップデートではなく、手動アップデートになります。
つまり、自分で更新プログラムをホームページからダウンロードしてきて実行します。
これが難しい人は、更新プログラム入りのDVD-ROMを送ってもらえる有償サポートプランに加入する必要がありそうです。
引用元:弥生会計(やよいの青色申告)サポートページより👇
https://support.yayoi-kk.co.jp/topic.html?page_id=2680
うーん、買い替えよりはコスト的には良いのですが…
ソフトウェアのアップデート、IT職のわたしでも「面倒だなー」って思うことが多いですよ。
そうですよね。
でもアップデートしないと、確定申告書のフォーマットが古いまま税務署に提出して、指摘を受けて作り直し&提出し直し…となりますからね。
やらざるを得ません。。
クラウド型ひとすじのあつこの場合
あつこさんは、ずーっとクラウド型のfreee使ってますよね?
はい、そうです。
他のも使ってみたいのですが、けっきょく面倒&学ぶ気力がでないので😊、そのままfreeeひとすじになってます!
クラウド型会計ソフトは、「freee」の他「マネーフォワード」「やよいの青色申告 オンライン」などいろいろあるのですが、制度改正に関してはどれも「自動対応」です。
昨年はインボイス制度が10月に始まったり、それに伴って確定申告書フォーマットが変わったりしました。
このような制度改正時には、通知欄に
「インボイス対応のため、請求書機能を更新中です。しばらくお待ち下さい」
「インボイスの事業者番号記入に対応した請求書フォーマットに変わりました」
「〇年度の確定申告書フォーマット対応中です。しばらくお待ち下さい」
「〇年度の確定申告制度に対応しましたのでPDF出力可能です」
のようなメッセージが出ます。
通知に従って、対応後のフォーマットを使うことにより、自動的に制度改正に対応していけます。
自動対応、便利です…。
そうですよね。
そんなこんなで、私のお客様でインストール型のやよいを使っていた方は皆、やよいの青色申告オンライン(クラウド型)に切り替えましたよ!
税理士あさがおからのワンポイントアドバイス「タイムリーに損益を把握したい方はクラウド型」
税理士の立場から、もうひとつ付け加えさせて下さい!
確かに、確定申告書を作るのが、創業者のみなさんにとっては最大の山場だと思いますので、この考え方はごもっともです。
もうひとつ、税理士の立場から付け加えさせて下さい!
会計ソフトは「事業の損益の状況がタイムリーにわかる分析ツール」なんです。
税理士は顧問先に、日々の会計帳簿の作成や確定申告の代行をするだけじゃなくて、経営分析やアドバイスもします。
その材料が、会計ソフトなんです。
ここにはその事業のお金の流れがすべて入ってますからね。
特にクラウド型の会計ソフトは、損益分析表や試算表がタイムリーに表示されます。
経営分析を月初/月末にしている創業者さんには、ぜひ活用して欲しいです!
そして、クラウド型ならその情報を他人に共有しやすいという点も大きなポイントです。
スポットで、「この設定だけITの専門家に相談したい」「この仕訳だけ税理士に相談したい」場合にも共有しやすいとうメリットがあります。
税理士として感じるこれらのメリットも、お伝えしておきたいと思います!
活用ポイント、いろいろあるんですね…。覚えておきます!
まとめ:手間ひまを考えると…クラウド型推しかも。
この記事では、会計ソフトは「クラウド型推し」って結論になりますかね。
そうですね…。
会計ソフトの選び方②で書いたポイントでは、
買い切り型で手入力に強いのは「インストール型」ということで紹介していましたが、
ここ最近の制度改正の多さで、アップデートの手間がかなり負担になっています。
これを考えると、クラウド型推しに傾いちゃいますよね。
今日のところは「クラウド型推し」でまとめましょう!
また異なった視点から、インストール型・クラウド型の比較してみたいですね。
この記事を書いた人
あさがお税理士事務所 代表税理士 伊藤貴文
税理士 / 栃木出身 / 埼玉在住 / 東京勤務 / 3児の父
この記事を書いた人
A2K(あつこ)
主にWEB制作をしているフリーランスのIT屋さん/ 元業務系SE(Java,VBなど)/ 北海道千歳市在住 /// 1児のママ