起業って本当に怖いもの?「起業前に考えておきたい起業のリスクとその回避法」

実際に、起業をためらう会社員の声として、最も多いのが「リスクがあるから」だと言います。

確かに、売上が上がらず、借金だけ残った...という場合もあり得るのがビジネスの世界。

でも、最近は自己資金もかけずに始められるビジネスも増えています。

そもそもの疑問ですが、本当に起業は怖いものなのでしょうか?

ほとんどの人は、創業・起業を知りません。

知らないものは、何となく怖いと思うし、億劫になりがちです。

起業までの流れは、このような流れが一般的です。


この「②自分でできる」という感情は、創業・起業を正しく知ることで生まれると私は考えています。

創業・起業を正しく知り、過去を含めた現在の自分に照らし、そして未来を考える。

この作業こそが、起業を考える出発点なのではないでしょうか。

それを阻害する起業のリスク。これについてもきちんと向き合って考えてみる価値はあるように思います。

今回は、そんな起業におけるリスクとその回避法について探っていきたいと思います。

■リスクの意味を正しく捉えよう

まず、リスクの概念について考えてみたいと思います。

今でも覚えているのですが、昔ファイナンスを勉強した時に、リスクの概念についてこう言われました。

リスクとは、危険性ではなく不確実性である。」

当時、なるほどと思った記憶があります。

リスク=不確実性であれば、会社が倒産したり転勤など、会社員にもリスクがあることが見えてきます。

リスク=不確実性であれば、確実なものと不確実なものを正しく捉えれば、リスクを減らすことができることが見えてきます。

不確実なものを、一つ一つ掘り下げて、確実性を高めていくことが大切だということです。


・いくらの生活費が必要か?
   ↓ そのためには、
・いくらの利益が必要か?
   ↓ そのためには、
・いくらの売上が必要か?
   ↓ そのためには、
・何人のお客が必要か?
   ↓ そのためには、
・どのような営業方法が必要か?
   ↓ そのためには、
どこで営業方法を学ぶ必要があるか?


このように一つ一つ掘り下げて考えていけば、不確実なものが徐々に確実になってきます。

リスクは、その人の考え方・捉え方次第で大きくなったり小さくなります。

一つ一つクリアしていくことで、リスクを減らすことができます

■失敗の体験談からパターンを掴もう

リスクの捉え方と減らす方向性は、分かって頂けたと思います。

ただ、具体的に、自分の場合に落とし込むには、まだ難しい面があると思います。

ここで役立つのが、失敗の体験談です。

あさがお

いわゆる「あるある」というやつですね!

結論から言うと、起業における失敗のあるあるは、①お客と②お金の論点に集約されます

①お客の失敗例

流行に乗ったビジネスモデル
陳腐化/価格競争になりやすいビジネスモデル
→ターゲットとなる顧客の将来予測の不確実が高い
→急に顧客ニーズがなくなるリスク
⇒対策:流行に左右されないビジネスモデルの選定、顧客ニーズの最先端での反映

特定顧客に依存したビジネスモデル
→特定顧客(大口)との関係性が崩れた瞬間、売上の大半がなくなるリスク
⇒対策:顧客の分散化、新規開拓

②お金の失敗例

初期投資(イニシャルコスト)が多くかかるビジネスモデル
固定費が多くかかるビジネスモデル
→投資を回収するまでに時間がかかる可能性が高い
→利益を出すまでに資金が尽きるリスク
⇒対策:初期費用・固定費がかからないビジネスモデルの選定、初期投資・固定費の削減方法の検討

顧客がつく/商品やサービスの開発までに時間がかかるビジネスモデル
売上入金の回収サイトが長いビジネスモデル
→事業が安定する前に資金が尽きてしまうリスク
⇒対策:融資による財務基盤の確保

この二つは経営の根幹、車で言う両輪の役割を果たすからです。

しかも、見てわかる通り、この二つは、どちらか一方ではなく、密接に関係している場合がほとんどです。

失敗の体験談から一定のパターン(規則性・法則性)を学ぶことで、それを避けたり減らすことができます。

■具体的に、自分の事業計画に落とし込んでみよう

ここまで整理できたら、あとは自分の事業計画に落とし込む段階になります。

そのリスク(不確実性)は、

●自分の場合避けられるものなのか?
●(避けられなくとも)許容できるレベルのものなのか?
減らすことができるなら、いつ、誰が、何を準備すべきなのか?

これらを自らの事業計画に落とし込んで具体的に考えてみましょう。

あさがお

ポイントは、「必ずこうなる」と決めつけずに、必ず何パターンか試算しておくこと

リスク=不確実性なので、予定通りにいかなかった場合の想定こそ大事です!

これらの作業を通じて、創業・起業を正しく知ることができ、自分でできる!の具体的な感情が生まれるはずです。

それが出来なければ、出来るまで試行錯誤を続ければ、辞めればよいだけの話です。

今回は、そんな創業・起業のリスクとその回避法について解説させて頂きました。

参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

あさがお税理士事務所 代表税理士 伊藤貴文

税理士 / 栃木出身 / 埼玉在住 / 東京勤務 / 3児の父

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