税務調査における税理士への立会依頼の検討

■結論

顧問税理士がついていない場合、基本的には税理士に税務調査への立会依頼をお願いした方が良いと思います。

理由やその際に気を付けておくべきことを以下で解説します。

■理由

①税務調査は非常に繊細かつテクニカルな作業であるため

追徴税額が多額になる可能性や、反面調査という形で結果的に取引先に迷惑がかかる場合もあるため、適切な形で説明・検証・反論ができるパートナーは必要だと考えます
本人や従業員を除いて、税理士ではない人が納税代理人として税務調査に臨場することは認められていないため、税理士に立会を依頼する必要があります。

②言った言わなかったを避けるため

調査官は通常2人1組で来るため、社長1人で対応しようとすると、必然的に2対1という数的に不利な状況に追い込まれます
税務調査では社長の一言が決め手となることが多々あります
あとで言った言わなかったの記録を残す公平性の観点からも、頭数は合わせておく必要があると思います。

③事業主/社長の精神状態を安定させるため

これが1番大きいと思います。
初めてのことで緊張状態になり、思ってもないようなことを口走ってしまうことはよくあります。結果としてあらぬ疑いをかけられてしまっては元も子もありません。
素人相手だと調査官も強気に修正申告を迫ってくることも聞きます。
中には怖くて夜も眠れなくなる方もいます。長丁場になることもあります。
そのような調査を安心して乗り切るためにも、信頼できる税理士に依頼することをお勧めします。

■依頼する際のポイント

①依頼するタイミング
顧問の税理士がいない状態で、税務調査の連絡がきた場合は、依頼する日は一日でも早い方が良いです。
事前通知後だと、調査日が確定してしまうため、事前に修正が必要な場合でも処理が間に合わない可能性があるからです。

②依頼する選定基準
税理士によって税務調査の立会経験や立ち位置(スタンス)は千差万別です。
税務署寄りの考え方で、全く納税者の味方になってくれなかったという声もよく聞きます。
黒なことを白にしてくれなどという話は論外なので、一概にそれが悪いとも言い切れないのですが、たとえ困難な場合でも理由や事情によってはやり方があったりするので、それなりに税務調査の経験が豊富な方に依頼するのが良いでしょう。
ゴールキーパー的な対応能力が問われ、通常業務とは異なる力量が問われますので、税務調査の時だけ別の税理士に依頼するという方法も個人的にはありだとは思います(気分を害する顧問税理士はいるかもしれませんが)。

また、特殊な業界の場合は、業界に明るい税理士に依頼するのが良いです。
税理士の平均年齢は60歳を超えています。
IT関係や仮想通貨等の特殊なケースでは、その分野への理解が必須になりますが、そこまでの時間がない場合がほとんどだと思います。

③その他依頼する際に気を付けておくべきこと
報酬規程は事前に確認しておきましょう。
立会報酬を1日いくらと請求される場合や、修正申告が必要になった場合1年分についていくら等と請求される場合が一般的です。
可能な限り比較検討してから依頼するようにしましょう。

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