退職~開業の考え方

■退職する前に知って欲しいお金の話

あさがお

はじめまして!

税理士のあさがおと言います。

まず、退職と創業(起業)についての違いを説明することで、

具体的な創業のイメージをつかんで頂きたいと思います。

「転職における退職」と「創業における退職」は、意味合いが全く異なります。

労働者という法律上守られた世界から、事業主(個人事業主、代表取締役)という自己責任の世界に飛び込むことになるからです。

収入が青天井なのであれば、その対となる支出も底なし沼。

当然ながら食っていけるだけのビジネス・モデルがないと締め出される厳しい世界とも言えます。

となると、やはり最優先課題は、営業と資金繰り(簡単に言えば、お客とお金なわけで、どう顧客を取り込んでキャッシュを回すか、これに尽きます。

お客とお金はどちらが欠けると事業の失敗に直結する意味では、車の両輪と言ってもよいでしょう。

お客についてはある程度見込みを持って創業する方が多いかもしれません。それなりの経験や実績がなければ独立を志すことはそもそもないからです。

しかしお金についてはどうでしょうか。

お金周りが苦手にもかかわらず独立し事業の運営に苦しむ事業主を、私は税理士という立場上たくさん見てきました。

初めて自分で申告と納税をし、初めてお金にちゃんと向き合ったという方がほとんどです。

無理もありません。今この日本では学校でお金について学ぶ機会がほぼないに等しいからです。

その状況を少しでも改善するべく、小学校での租税教育という形で学ぶきっかけ作りを始めました。
しかし残念ながらまだまだ足りません。

そもそも事業主と経営者では、お金に対する概念が異なります。

まずはここを出発点にしたいと思います。

■労働者と経営者の違いをイメージしよう

事業主となると当然ながら来月の給与は保証されているわけではありません。

今、あなたが退職前の会社員(労働者)だったとして、毎月会社からもらう給与明細があると思います。

事業主(個人事業主)となった場合にはどのように視点が変わるのか見てみましょう。

左が会社員(労働者)が見るべき給与明細の範囲で、右が事業主が見るべきの給与明細の範囲です。

会社員(労働者)の場合、基本的には実際に振り込まれる差引支給額しかコントロールできません。

税金や健康保険等計算や支払等の部分は全て見えないところで全て会社がやってくれているとも言えます。

要は、お金についてコントロールすべき範囲が会社員(労働者)と事業主では全く異なるということです。

事業主の場合は、基本的には書かれている項目全て自らコントロールし、計算して申告し、納める必要があります

正確には、事業主の場合、給与という概念ではなく、利益(売上ー経費)という概念になります

つまり、事業で入ったお金から支払ったお金を引いた残り(儲け)です。

これを計算しないと税金等も計算ができないため、売上の請求書や経費の領収書が大切になってくるということです。

まずはお金についてコントロールしていく範囲が異なるということがわかって頂けたかと思います。

あさがお

会社員だった頃は、

会社の総務や経理がやってくれていた手続きを、

起業したら全部自分でコントロールしていかないといけない

ということですね!

■労働者と経営者の違いを具体的に見てみよう

よりイメージを掴んでもらうために、数値を入れて、もう少し具体的な話をしてみましょう。

下の図(創業マップ)をご覧ください。

青色の部分(1~3月)が会社員で、赤色の部分(4~12月)が事業主という表です。

2021年3月末に会社員を退職し、4月に個人事業を開業したというケースになります。

【計算例】にありように、両者ともに同程度の収入があることを前提としています。

ここから、以下の2つのことが読み取れます。

1.納税の意識の違い

会社員(労働者)(=青色部分)の場合、毎月の給与から所得税や住民税等が天引きされていました。

個人事業主(=赤色部分)の場合は、基本的に所得税の支払いは年1回、確定申告という手続きで行われます。
ちなみに住民税の支払いは年4回です。

つまり、会社員(労働者)の時は天引きされる形で、こまめに会社が代わりに払ってくれていた一方、
個人事業主の場合は、支払の時期にバラツキがあり、かつ、1回当たりの金額が大きくなります

あさがお

事業主は、労働者よりも主体的に納税資金を確保しておく意識が必要

と、言えますね!


2.資金繰りの重要性

上の創業マップをみて明らかな通り、会社員(労働者)毎月の差引支給額(手取額が一定なのに対し、
事業主は毎月ベースでみるとかなりのバラツキがあるのがわかります(0になる月もあります!)。

前述のような納税の時期が影響しているのは勿論、ここに更に試算上一定とした売上や経費の変動が加わってくるのですから、事業主の毎月の手残りは、よりバラツキが出ることになります。

あさがお

資金がショートして事業がストップすることのないよう資金繰りが何よりも重要

と、言えますね!

まとめ

ここまでの話をまとめます。

まず、事業主として自己責任の世界に飛び込む以上、最優先課題であるお客とお金の準備をする必要があります。

具体的には、経営者と会社員(労働者)では、お金について大きな違いがあることを理解する必要があります。

事業主と会社員(労働者)の違い

お金に対してコントロールできる範囲がそもそも異なっていること

お金に対する認識(納税の意識・資金繰りの必要性)にも違いがあるということ

これらの違いを認識した上で、具体的な準備をしていきましょう。

下記の記事も参考にして頂けると、良いと思います。

この記事を書いた人

あさがお税理士事務所 代表税理士 伊藤貴文

税理士(2018年登録) / MBA // 栃木出身 / 埼玉在住 / 東京勤務 /// 2児の父

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