個人事業主だけど、ふるさと納税ってやった方が良いの?【個人事業主のためのふるさと納税解説!】
税理士のあさがおです。年末ですね。
この時期になると、お客様と「ふるさと納税」の話で盛り上がります。
私のお客様には毎年希望者にはクリスマスの時期に、
今年のふるさと納税限度額をお知らせしているのですが、
「やった方がお得だとは聞くけれど、
いくらまでやって良いのか分からないのでやってません」
という声をよく耳にしますね。
多くのふるさと納税サイトで簡易シミュレーションするページがありますが、
そのほとんどが給与所得者(サラリーマンなど)を前提としたもの。
つまり、個人事業主の方が自分でふるさと納税限度額を計算するための情報が少ないように感じます。
そこで今回は、税理士などに依頼していない個人事業主の方が、
自分でふるさと納税限度額を計算するための方法について解説してみたいと思います!
■そもそもの仕組み(ふるさと納税って何?)
ふるさと納税の仕組み
簡単に、ふるさと納税の仕組みをお話しします。
①ふるさと納税サイトから、応援したい地方自治体に寄付
↓ すると
②一定の寄付限度額までは、寄附した金額から2,000円を引いた額が税金(*)で戻ってくる
*翌年の所得税から一部還付され、翌年の住民税から差し引かれます。
↓ 加えて
③地域の名産品などの返礼品も受けられる
つまり、「ふるさと納税限度額までの寄附であれば、
実質2,000円の負担で、金額に応じた返礼品が受け取れる」
制度だということですね!
では、ふるさと納税の手順について、
3つに分けて解説させていただきます。
■ふるさと納税の手順
手順① ふるさと納税の限度額を知る
まずは、あなたの今年のふるさと納税限度額を計算することから始めましょう。
限度額を超えると、2,000円以上に自己負担が増えてしまいます。
そしてその限度額の計算は、その年の所得によって、2,000円の自己負担で済む限度額が異なります。
この計算はとても複雑なので割愛しますが、
下記の「さとふる」のサイトであれば、
個人事業主でもその年のふるさと納税限度をシミュレーションできます。
色々とふるさと納税サイトを見ましたが、
個人事業主向けのページが少なく、
この「さとふる」のページが図解付きで最も分かりやすかったです!
ただ、注意点が二つあるように思います。
①正確な計算ができるとは限らないこと
②昨年ではなく今年の見込で作ること
特に②が重要で、毎年似たような所得の個人事業主であれば良いですが、大抵の場合は変動しますよね。
なので、確定申告を作り慣れている方なら今年の見込で作れると思いますが、
そうでない方は、去年の数字をもとに、少し増やす・減らすなどの対応が現実的かと思われます。
手順② ふるさとサイトでふるさと納税を行う
次に、計算したその限度内で、ふるさと納税サイト経由で寄付を行います。
下記にポイントを載せておきます。
■期限
・その年の控除を受けるにはその年中に寄付をする必要がある(=12/31まで(年単位))
■サイト選び
・各サイトによって、特徴が微妙に異なる。
・ふるさとチョイス → 掲載数&利用者数No.1
・楽天ふるさと納税 → ポイント還元率No.1(楽天ポイント)
・その他(ふるなび、ふるさと本舗、au PAY、ANA、三越伊勢丹、ふるさとパレット等多数)
■返礼品選び
・食品
・グルメ(肉、海鮮(カニ、ウニ、イクラ、ホタテ、明太子、うなぎなど))
・保存食(酒、水、米、缶、コーヒーなど)
・日用品(家電、コスメなど)
■注意点
・自分の住んでいる自治体は、返礼品の対象外
・例「栃木県宇都宮市」に住民票がある場合
・栃木県:×
・宇都宮市:×
・栃木市:〇
・ご本人の支払いが必要(配偶者のクレジットカードは、配偶者にて寄付金控除)
限度額が多い方で食品を頼む場合、
同時期に届くと冷蔵庫が一杯になるという声を良く聞きます。
こういう方は、定期配送のものを選ぶと良いと思います。
ものによっては毎月や3か月に一回届くというものがあるので、
結構好評です!
地域の特産品が毎月届くものなどは結構面白いです。
また自宅用ではなく、
配送先を親などにして楽しんでもらうという方も良く聞きますね!
手順③ 翌年に、証明書を添付して正しく確定申告を行う
ふるさと納税をすると、自治体から寄附金証明書が届きます。
それを翌年の確定申告に正しく反映してください。
ここを間違ってしまうと、税金が戻って来ないので注意です。
E-taxで出される方は、
下記の国税庁HP「ふるさと納税をされた方のための確定申告書作成の手引き」を参考にされるとよいと思います。
国税庁HP「ふるさと納税をされた方のための確定申告書作成の手引き」より引用<4D6963726F736F667420576F7264202D2082D382E982B382C6945B90C582F082B382EA82BD95FB82CC82BD82DF82CC8A6D92E8905C8D908F918DEC90AC82CC8EE888F882AB81698DC58F4994C5816A2E646F6378>
住民税の記入などが少し難しいですね。
手順に沿って間違えないように記入してください。
手続きは以上です。
あとは返礼品を受け取ればOK。
なお、ふるさと納税サイトでは、だいたい寄付額の30%相当のもので設定されています。
例えば10,000円のカニであれば、3,000円相当のものだということですね。
その見方で、限度額内で良いものを選んでいただければと思います。
初めての方には少しとっつきにくい制度ですが、
慣れれば簡単です。
サラリーマンの方だと確定申告をすることが最大のハードルだったりしますが、
多くの個人事業主の場合はふるさと納税にかかわらず確定申告すると思います。
(*ワンストップ特例を使う場合を除く)
なので、是非やっていない個人事業主の方は、
是非一度チャレンジしてもらえたらと思います。
大晦日、日付が変わる時まで間に合いますので、
参考にしていただければ幸いです。
この記事を書いた人
あさがお税理士事務所 代表税理士 伊藤貴文
税理士 / 栃木出身 / 埼玉在住 / 東京勤務 / 3児の父