退職前の手続き一覧
このパートでは、開業前の手続きに注目して、
何を準備したら良いのかを分かりやすく解説することで、
開業への一歩を踏み出して頂きたいと思います。
■退職前の手続き
労働者と経営者の違いは、前回詳しく解説しました。
この点を踏まえて、退職前にすべきことを考えてみましょう。
退職前の手続きは、大きく分けて3つあります。
1つ目は、退職日と開業日を決めることです。
2つ目は、退職前に済ませておいた方が良いことを実行することです。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
■①退職日と開業日を決める
事業計画が完全に決まったら、具体的に退職日と開業日を決めましょう。
まず初めに開業日を決め、そこから逆算して退職日を決めるのがセオリーです。
退職日は、在職している会社と話し合う必要があります。
残っている有給休暇や現在の仕事の引継ぎなどを踏まえながら、退職日を調整しましょう。
なお、❶退職日=開業日と、❷退職日≠開業日(退職から開業まで間が空く)の2パターンがあります。
❶退職日=開業日のパターンは、収入が途切れず、健康保険などの切り替えが一回で済むメリットがあります。
ただし、失業手当が受けられません。失業手当は、退職後求職中の給与を補填する制度だからです。
❷退職日≠開業日(退職から開業まで間が空く)のパターンは、その逆です。
退職後、開業までの期間に収入が途切れますが、一定の場合に失業手当が得られる可能性があります。
ただし、健康保険などの手続きが煩雑になる可能性があるのがデメリットです。
■②退職前に済ませておいた方が良いことを実行する
退職日と開業日が決まれば、あとは気持ちを固めて準備を進める段階になります。
正直、開業して実際に色々とやってみないと分からないことがほとんどです。
うまく軌道に乗せている経営者は、分からないことがある前提で日々の出来事に取り組むマインドでいる方が多い印象を受けます。
最終的に自分で決めるのは大前提として、分からなかった場合に備えて良き相談相手を見つけ、コミュニケーションを図っているような気がします。
その意味では、やることのリストアップに、そのような人脈づくりを入れておいた方が上手くいくのかもしれません。
それ以外に、退職前に済ませておいた方がよいものには、このようなものがあります。
- クレジットカード (開業後しばらくは審査が厳しくなる場合があるため)
- 車や家のローン (開業後しばらくは審査が厳しくなる場合があるため)
次回は、退職後の手続きについてみていきます。
税金や社会保険などの分かりづらい手続きを一覧にして解説しています。
この記事を書いた人
あさがお税理士事務所 代表税理士 伊藤貴文
税理士 / 栃木出身 / 埼玉在住 / 東京勤務 / 3児の父